2017年9月24日(日)
鹿島槍ヶ岳
1.年月日
2017年9月24日(日) 天気 晴時々曇り
25日(月) 天気 晴時々曇り
26日(火) 天気 曇りのち晴
2.メンバー
中村、小島、古島(記)(中村、古島はS47卒部)
3.時間
9月24日
11:20 扇沢
11:35 扇沢登山口発
13:10 駅見岬
14:35 アザミ沢
16:00 種池山荘着
9月25日
6:00 種池山荘発
6:40 爺ヶ岳南峰直下
7:45 冷池山荘着
8:00 冷池山荘発
8:50 布引岳
9:50 鹿島槍ヶ岳着
10:05 鹿島槍ヶ岳発
11:15 冷池山荘着
12:00 冷池山荘発
13:30 爺ヶ岳南峰
14:00 種池山荘着
9月26日
5:50 種池山荘発
7:00 駅見岬
7:55 扇沢登山口
8:10 扇沢
4.山行内容
9月24日東京7時20分発の北陸新幹線で長野に向かう。東京で中村、長野の改札口で小島と合流し、特急バスで扇沢に向かう。長野から1時間30分程で扇沢に到着し、早速レストランで腹ごしらえをする。
扇沢バスターミナルからバス道路を10分程下ると左に登山口が現れる。種池から下ってきた人と何人かすれ違うが、登る人は我々だけである。最もほとんどの人は早朝に着いて登り始めるはずだ。登山口には入山届が置いてあり、早速記入して投函する。歩き始めると尾根の急登がすぐに始まる。登山道は九十九折れとなっており、尾根の傾斜の割には登山道の傾斜は強くなく、ゆっくり登って行けば順調に高度を稼げる。樹林帯の中で展望はあまり良くないが、一歩一歩汗をかきながら登って行く。八ツ見ベンチを過ぎ、さらに進むと駅見岬に到着する。眼下に扇沢バスターミナルと、正面に針の木岳、蓮華岳が望める。このあたりから登山道は尾根の東側を巻くように登って行き、傾斜もだいぶ落ちてくる。種池山荘から下ってくる登山者が多くなってきた。「上は紅葉が真っ盛りですよ」と声をかけられ期待が膨らむ。少しずつ紅葉が始まってきて、石畳・水平道と名前のつく場所を進めばアザミ沢に到着する。あたりはガスってきており、展望は望めなくなってきた。
アザミ沢を過ぎたところで小島の片足がつり、休んで回復を待つがそのうちもう片方もつって両足がつってしまった。薬を飲んでもなかなか回復せず、結局40分程休憩して回復を待つこととなった。やっと痙攣が取れたがすぐにつりそうな雰囲気なので、小島のザックを中村が持ち、古島が後ろからサポートしてゆっくり登り始める。奥の沢を過ぎると少し急な鉄砲坂に差し掛かり、道が緩やかになると霧の中の種池山荘現われて、やっと山荘に到着する。種池山荘は思っていたよりコジンマリとしていて、今夜の宿泊者は30人程のようだ。生ビールが600円に値下げされており、部屋に荷物を置いた後中村と早速乾杯をする。食事の後山荘の前に出てみると、前面に大町の街の明かりが見え、また夜空にはオリオン座が輝いていて明日の好天が期待された。
25日の朝は4時過ぎに目が覚める。5時から朝食なので山荘の中がざわつき始める。朝食の後部屋の窓から眺めると、雲海の向こうに南アルプスと八ヶ岳が見え、その間に富士山が頭を薄らと覗かせていた。富士山が見えるとは思っていなかったのでちょっぴり感激する。
6時に種池山荘を出発し、薄暗い中を爺ヶ岳に向かう。山荘からは背の低い灌木帯を進み、しばらくすると爺ヶ岳南峰へのハイマツ帯の登りとなる。朝はさすがに少し寒いので薄手のヤッケを着て登って行く。左手に立山から剣岳の大パノラマが広がり期待が膨らむ。ジグザグと登って行けば40分程で爺ヶ岳南峰の下に着く。南峰頂上は帰りに寄ることとし、トラバース気味に中峰、北峰に向かう。中峰、北峰の頂上も登らずにパスすれば、やがて下りとなり冷乗越/赤岩尾根分岐となる。大谷原に行く場合はここから下って行く。もう少し下って紅葉した樹林帯を登り返せば冷池山荘に到着する。山荘の脇には本当に小さな冷池があった。
冷池山荘にザックを預け、必要な物だけサブザックに詰めて鹿島槍ヶ岳に向かう事とする。小島は足が少し心配なのでここで待っているという。残念だが中村と二人で鹿島槍ヶ岳に向かうことにした。冷池山荘から樹林帯を少し登ればテント場に着き、ここから紅葉の灌木帯を進むとやがてハイマツ帯となり布引岳への登りが始まる。正面に鹿島槍ヶ岳、左手には剣岳、立山連峰、薬師岳へ続く山並みが広がる。下を見れば針葉樹の中に紅葉が広がり、赤、黄色の紅葉と緑のグラジュエーションがとても美しい。
布引岳への最後の登りになったとき、上から降りてきた人が「雷鳥がいますよ」と教えてくれる。じっと立ち止まっているとハイマツの下から雷鳥が現れる。一羽だけだと思ったらなんと六羽も登場した。人を全く恐れていないようで、すぐ近くまで来ても逃げる気配が全く感じられない。とても可愛くて愛らしい。しばらくするとハイマツの陰に消えて行った。この山域は雷鳥が多いのだろうか。種池山荘との間で3回も見ることができた。
布引岳からは鹿島槍ヶ岳が間近に見えている。ガラ場を喘いで登り、最後にジグザグと登れば鹿島槍ヶ岳山頂に出る。快晴で山頂からは360度の展望が得られる。北側は鹿島槍ヶ岳北峰からキレット、五竜岳、唐松岳、白馬岳が望める。西側は黒部峡谷を挟んで剣岳から立山、薬師岳見えている。南側は今日登ってきた爺ヶ岳から針の木岳、蓮華岳まではっきり見え、その後ろに槍ヶ岳、穂高岳が遠望できる。素晴らしい眺めだ。ここでエネルギー補給してしばし休憩する。
鹿島槍ヶ岳での大パノラマを楽しんだ後、冷池山荘に向かって出発する。ガラ場を順調に下り布引岳からさらに下って行くと灌木帯となる。美しい紅葉の中を進めばわずかで冷池山荘に到着し、小島が出迎えてくれた。山荘まで1時間ちょっとで下ってきて時計を見ればまだ11時15分だ。ラーメンを食べながら今日の予定を協議する。計画では冷池山荘に泊まる予定であったが、明日の事も考えて種池山荘まで戻って泊まることとした。しばし休憩したのち山荘に預けたザックを取ってきて戻る用意をする。
山荘からは少し下って爺ヶ岳へ再び登り返す。樹林帯を抜ければ爺ヶ岳の側面を這うように登り、北峰分岐に着く。そのまま傾斜の緩い道をトラバース気味に登って行けば中峰分岐を過ぎ、最後に少し登ると南峰分岐に着く。分岐に荷物を置いて10mほど登れば南峰頂上である。ここで最後の頂上を楽しむ。
ここからは下るのみ。順調に下って行けばやがて灌木の紅葉帯に入る。カエデの紅葉が色鮮やかで思わず見とれる。ここ数年こんなに美しい紅葉は見たことがない。やがて種池山荘の赤い屋根が見えて来るとお花畑が広がる。さすがにもう花は見られないがチングルマが細いひげを咲かせて群生している。開花期はさぞ素晴らしいのだろうと想像させる風景だ。すぐに種池山荘に到着、今日の行動時間は8時間だった。早速600円の生ビールで乾杯する。
26日は5時50分に山荘を出発する。朝靄であまり眺望は良くないが1時間程で駅見岬に到着する。登山者がぽつぽつと上がってくる。ここから尾根を急激に下って行けば扇沢登山口に到着し、意外ときついバス道路を登り返して行くと10分程でバスターミナルに到着する。8時55分のバスで大町温泉「郷薬師の湯」に向かい、汗を洗い流し疲れを取る。1時間程温泉を楽しんだ後大町に向かい、松本経由で帰京する。
今回の山行は、天気に恵まれ素晴らしい山行になった。なんといっても山上からの展望と紅葉はとても素晴らしく、山の良さを久し振りに堪能した。小島が足に不調をきたしたのが残念だったが、秋山はまあまあ楽しめたので良かったと思う。「運動不足と体力の低下には気をつけろ」というシグナルと受け取っておこう。
来年は花の時期か紅葉の時期か、どの時期に行くのが良いかか迷ってしまう。
さて、どこに行こうかな。

柏原新道の登り(古島)
柏原新道の登り(稜線が見える)(中村)
針の木岳・蓮華岳(種池山荘から)
南アルプス・富士山・八ヶ岳(種池山荘から)
爺ヶ岳地直下の登山道(鹿島槍を望む)(小島と古島)
(中村)
紅葉と剣岳
爺ヶ岳下りから鹿島槍ヶ岳を望む
冷池山荘付近の紅葉(カエデとナナカマド)
布引岳の雷鳥
鹿島槍ヶ岳山頂
最近のコメント